カンセンキ

2003年3月21日の
新日本プロレス「HYPER BATTLE 2003」
代々木第二体育館

いよいよやってまいりました、新日本プロレス東京興行!
私的メインは勿論「大阪プロレス タッグ選手権試合」やけども、 注目の星野勘太郎が復活するか(病院送りとなった星野は、この時点でいつ代々木か尼崎で復活とされている)、 ものすごく気になる金本やAKIRAやヒートの新日Jr達、そして蝶野や天山、永田に中西のスター達の生試合が観れるのが 嬉しくて嬉しくて、試合前から大興奮。

試合前、エンセン&小原による、犬小屋(小原が対星野用につくらせたもの50万円したらしい)記念撮影会も催されていた。

代々木第二体育館は、まんまるな構造で、どんな席からも試合がちゃんと見れる、素晴らしい会場。

パンフを買い、カードを見ると、大阪プロレス タッグはメインでなく、真ん中休憩前の試合。つまりは前半戦のメイン。 前日までは、メインという風に公式HPで書いてあったのに!と、ちょい不満。

試合前、冬木弘道に対しての10カウント黙祷。

■第1試合(15分1本勝負)
○垣原賢人 4分53秒逆エビ固め 田口隆祐×

写真提供:44
田口に腕を極められる垣原

昨年末デビューしたての田口を、元Uの垣原が受けて立つ。 序盤、果敢に攻める田口だったが、垣原の打撃の上手さに押され、一気にしとめられた。
観客の声援、まばらな静かな試合。

■第2試合(20分1本勝負)
U−30公式リーグ戦〜Bブロック
○吉江 豊  9分40秒 ダイビング・ボディプレスから片エビ固め
ブルー・ウルフ×

写真提供:44
吉江によるボディプレス

パワー対決のどすこいマッチ!ブルーウルフ、モンゴルスラムのチャンスも吉江の体重に押しつぶされ、ことごとく技をかけられず。 吉江最後も強烈な重たぁいダイビング・ボディプレス!

■第3試合(20分1本勝負)
○AKIRA スタンピード・キッド アメリカン・ドラゴン ヒート
14分19秒 スタンディングヒールホールド
エル・サムライ× 邪道 外道 金本浩二


左:何がどうあっても金本に向ってくAKIRA 右:ヒートらによる、華麗なる極め!

左:金本とAKIRA因縁のガチンコ 右:試合後の乱闘

最初っから最後まで、AKIRAは金本しか見ていなかった。 試合の流れはそっちのけ、金本のみに遅いかかる。それが、めっちゃめちゃオモロくて、場内大歓声!熱い! AKIRAが今大人気なのが十二分にわかった。とにかく金本に対して熱いのだ。
ヒートの空中技は美しかった。そして、意外や意外、良かったのがスタンピード・キッドとアメリカン・ドラゴン。この2人について、 名前の文字をプロレス紙面で見た事がある、という程度にしか情報がなかった私だけども、 試合の流れ、観客の沸き・空気を完璧に読んでの試合展開。金本の暴走をうまい具合に盛り込んで、良い試合へと 消化していたのは、この2人の試合運びの上手さだと思う。
この日、「大阪プロレス タッグ選手権試合」を別にして(これはもう、想い入れが強すぎるので)、一番オモロかった試合。
この試合があまりにオモロく、金本とAKIRAの物語の続きが観たいがため、 次の日曜の予定を大日本プロレスから新日に変更することになるのであった。

■第4試合(20分1本勝負)
○柳澤龍志 6分41秒 ヤナギロック 棚橋弘至×

序盤 左が棚橋 右が柳澤

生で棚橋だ〜と棚橋に注目していたけど、柳澤、エラいカッコいいぞ! そして、プロレスは2人とも正統派スタイルだけに、少し盛り上がりに欠け、観客からも 「もっと2人ともいかんかい!」と野次が飛ぶ。しかし、棚橋イイとこが無かった。 柳澤は余裕の(に見えた)ヤナギロックで勝利。

■第5試合(60分1本勝負)
大阪プロレス タッグ選手権試合
○獣神サンダー・ライガー 村浜武洋
16分42秒 垂直落下式ブレーンバスターから体固め
ビリーケン・キッド× Gamma


左:まずは挑戦者のガンマとビリー入場 右:4人、握手を交わして試合開始

左:村浜のキックにも動じないガンマ 右:ライガーに照準を絞って2人の連携アタック

左:ビリーが村浜にブレーンバスター  右:ライガーにやられてるのではなく、ココから首に足をまわしてライガーを落とした

左:初代タイガーを髣髴とさせる・・・という場合ではなく、ビリーが!  右:しかし、ビリーが一瞬の隙をつき、ライガーを押さえ込む、思わずカットに出る村浜

左:そして、もう一度チャンス!  右:試合後、称え合う両タッグ

ガンマ、ビリーの入場時、ほとんど反応の無かった会場(まばらには声援が飛んでいたけど)。 うって変わって大声援で迎えられるライガーと村浜。
4人が出揃い、しっかりと握手を交わして試合開始。最初はガンマと村浜。 この2人の対決は大阪プロレスでは、もうほとんど観る事がないのでオモロ。
しかし、出だし、大阪プロレス タッグ選手権試合のルールが違う事(タッチ無し、場外で交代など)を知らされてなかったため、 試合展開に「ん?」という空気が走る会場。
しかし、だんだんとそんな事は忘れ、試合そのもののおもしろさに飲み込まれていく、新日ファンの空気が手に取るように伝わってくる。 次々とルチャの派手な空中技をくりだすビリーに、会場が「オオオオオォォォ!」とどよめく。
また、合間合間に「てめ、やんのかコラ!」「うっせぇバカヤロ!」とライガとガンマの罵声合戦にも、大いに沸く。
中盤、ライガーをマットにダウンさせ、ビリーがトップロープから飛び降りようとするのを、村浜が阻止するも、反対側のトップからガンマ、 ダイビングヘッドバッドを見舞う!これがまた、すごい距離を飛んだ!
村浜のアグレッシブな連続キック、ブレーンバスター、ビリーのファイアーバードスプラッシュ、ガンマのブリッツェンと、 大阪プロレス勢、余すとこなく全員が見せ場を作る。
しかし、ライガーのパワーに徐々に押され、集中攻撃を受けるビリー。しかし、何度も何度も2.9カウントで返し、会場中が 「ビリー!」「キッドー!」「ビリケーン!」の声援。ものすごいファイト、粘り。
最後、ビリーがトップロープに登ったところを垂直落下式ブレーンバスターで落とされ、体固めでフォール。
これはもう、どうしようもなかった。
試合後も、しっかりと両者タッグ握手。ビリーは両手でライガーと握手していた。 帰る花道も、「ガンマ!」「ビリー!」「試合良かったぞ!」の声援と大きな拍手。ベルトは大阪に取り返せなかったが、 それ以上のモノをガッチリと掴んだ二人であったー。(変な口調・・・)

試合後のマイクで、ライガーが「村浜となら誰とやっても負けない、まずはNOAHに向っていく!」と表明。 ずっとやってほしいなぁと思っていた、丸藤×村浜が思ったより早く実現するかも!

休憩後、スミヤバザルがリングに上がり、新日参戦を表明。5月2日は世界のTK高阪剛とガチンコ。すごいぃぃ。

■第6試合(30分1本勝負)
○安田忠夫 魔界1号 村上和成
3分38秒 タイガードライバーからエビ固め
後藤達俊× 小原道由 エンセン井上


試合、いつのまにか終わってた・・・

左:エンセンに羽交い絞めにされる星野 乱入してきた蝶野 右:そして、星野をリンチ

村上和成が好きで、生で観れるのを楽しみにしていたのだけど、実際目の前で見ると、ほんま怖かった・・・かっこ良かったけど。 安田は予想以上にデカかった。小原もエンセンもウルトラかっこ良いなぁ、と試合前にゆったりと構えていたら、 会場の一部がザワめき、見ると星野登場!やったぁ!で、星野ばっかり見ていたら、試合は終わっていた・・・。 なんにも観てない・・・。村上がマウントで誰かをバスバスパンチしていたのしか覚えていない。
呆然としていると、蝶野が乱入!そしてケンカキック。あとはエンセンにボッコボコ。 そして魔界は知らんふりで会場から引き上げていく。これはちょっと見ていられない光景だった。 病み上がりのちっさいおっさんを、ヘビー級の選手がよってたかってリンチ。そしてまたまた犬小屋へ。
うーん。

■第7試合(30分1本勝負)
【決着!】三番勝負〜第2戦
○飯塚高史 3分21秒 スリーパーホールドでレフェリーストップ
魔界5号(破悧魔王'Z)×


左:ゴング前、すでに朦朧としている飯塚 右:試合後も怒りがおさまらない飯塚

先に入場した5号、花道を入場してきた飯塚を襲い、飯塚はリングに上がる前にグロッキー。ぐったりとリングに上げられる。 なんとか気力で向かっていくも、まったく足に踏ん張りが効かない。これはもう、あかんやろうと全員が思った。 そこを余裕かました5号が攻めこまない間に、復活した飯塚、一瞬の隙で一気にスリーパー! 5号が落ちてもまったく放そうとせず、セコンドらに無理やり離される。
こういう事が起こるのが、プロレス。時間は短かったが、プロレス的な試合。オモロ!

■第8試合(30分1本勝負)
○天山広吉 4分35秒 TTDから片エビ固め 魔界4号(破悧魔王'Z)×


左:天山、すげーコスチューム 右:押される一方の4号

天山、装いも新たに登場(知る限りでは先週くらいから?)。独特のオーラ。
この試合、ほとんどが場外で、私の席から反対側なため、全く見えず。椅子を振り下ろすのとかしか見えない。 SRS席は近くて良いのだけど、こういう時に死角が多すぎる。たのむからリングで試合して欲しい、と切に願う。
それでも、熱い試合。椅子で殴られようが、なげっぱなしジャーマンだろうが、まったくダメージを受けない天山の快勝。

■第9試合(30分1本勝負)
○蝶野正洋 2分30秒 横入り式エビ固め 真壁伸也×



下右:試合後花道もおさまらない真壁

え!?と思ったら終わっていた。ゴング前から蝶野を挑発していた真壁、試合が始まると、一瞬で敗北。 試合後も向っていくが、若手総動員でとめられ(それでもおさえきれてなかった)、会場を後に。
蝶野は何も無かったように、新日の対NOAHを宣言。そして小橋を指名。ライガーのNOAHのジュニア参戦も この流れかー。

ここまで、後半戦の試合があまりに早く終わりすぎ、ちょっと物足りない気持ち。
でも次が良かった!
■第10試合(30分1本勝負)
○中西 学 西村 修 永田裕志 15分54秒 アルゼンチンバックブリーカー
ダン・デバイン× リック・スタイナー スコット・ノートン


右:永田 対 ノートン

左:西村がリングに入っただけで西村への大声援  左端リックと右端中西はその声援にびっくりして会場を眺める 右:西村・・・(笑)

ノートンにリック、デカかった・・・。そして待望の中西!王者永田! しかし、試合は西村の一人舞台・・・て、わけでもないけど、とにかく会場中の声援は西村に向っていた。 このメンツの中での、一人勝ち人気!最近の無我西村の人気がうかがえた。さすがプロレスファンの向こうに宇宙を見る男。オモロすぎる。
しかも、最後の中西によるアルゼンチンをコブラツイストでアシスト!コブラツイスト・・・て。 アルゼンチンを生で観れただけでも、かんなり嬉しかったのに。
そして永田は強いなぁ。生で観て、ひしひしと感じた。橋本戦まで、王者でい続けられると思う。 とりあえず安田には負けてほしないなぁ、と思いました。

さすが新日、と思った。いろんな選手がいろんなスタイルでプロレスをしていた。 それぞれの物語も複雑に絡まりあり、他団体とのからみ続々と行われていく。すごいなぁ。
ちなみに会場にはコールマンが来ていた。ファンの声援にいつまでも応え、2Fから握手を求めるファンにもジャンプしてタッチしていた。 スター!!




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